5月は夏のはじまり。
茶道では、炉から風炉へとかわり、
そのほかのお道具も、夏らしい取
り合わせとなります。
教室でも、5月号より一般版競書の
細楷課題が『美人董氏墓誌銘』へと
かわりました。
隋代の文帝の第四子である蜀王楊秀
に仕えた董美人でしたが、19歳とい
う若さで没したことを悼む内容。
美人とは後宮の官名のひとつです。
拓本サイズは52×52で、全文441字
あり、21行の各行ごとに23字が書か
れています。
隋代の墓誌銘の中でも傑作と称され、
唐代の定型化された楷書の成立まで
をたどる、重要な資料としても知ら
れています。
心静かに字と向き合い、じいっと
細楷を臨書することは、自の精神を
まちがいなく鍛えます。