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秋深む

連休は、松本城の外堀で開催された
信州松本蕎麦まつりへ。このところ蕎麦
への関心が高まり、その魅力の本質を探る
べく行ってまいりました。

新蕎麦おいしい!
その味わいはさることながら、それ以上に感動
したのは蕎麦打ち名人の実演です。
名人 朋子さんの打つ美しく無駄のない技は、
潔さすら感じられ、日本人の折り目正しい姿を
見たようでした。そして別の会場では、蕎麦打ち
名人戦も行われていて、たくさんの方の志を見せ
ていただきました。

考えてみると、蕎麦ほどシンプルなのに打ち方や
食べ方などを語れる食べ物はないと思うのです。
通の方はそれぞれに蕎麦への思想や哲学がおあり
になるようですし、日本の食文化のなかでも
『粋』という言葉が似合います。

そのような日本の蕎麦の歴史は古く、古今著聞集
や宇治拾遺物語にも書かれ、江戸時代には蕎麦
文献が残るほどです。

また、タイミング良く松本城の内堀ではお茶会
が行われており、透徹とした空のもと各流派の
心入れの趣向も愉しませていただきました。

深秋の季節。
蕎麦に抹茶、そして書。
日本の伝統文化への思いも深まります。

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