知らまし
2月最後の週ともなれば、庭や石垣の
ひま、道の傍らなど、草の芽が緑浅く
顔をのぞかせていることに気づきます。
数日前まで何もなかったところに、ち
ょこんと萌え出る草の緑は、毎年のこ
となのにハッとして、その生気と躍動
する力に感じ入ってしまいます。
自然が動きはじめたように、私もそろ
そろ積極的に動き働きたいと思うのも
やはり毎年のこと。
とはいえ、なんとなく気のりがしなか
ったり、落ち着かなかったりするのも
この季節ではあるけれど。
そんなときこそ、今の自分のありよう
をじっと見つめ、心の声に耳を傾け、
自分のほんとうを知ることに徹する。
その助けとなるのはやはり自然。
自然の動きのなかに、春くる気配を知
ることは、そこから大いなる力を与え
られていると知ることでもあると思い
ます。これを知らずして、自分のほん
とうを知るよしなどないのかもしれま
せん。