春うごく
寒さがゆるみ春の気配を感じるころ。
鳥たちの鳴き声がにぎやかになり、
庭の白玉椿はいくつもの花を咲かせ、
万作や木瓜、馬酔木の花は、静かに
ひかえめに咲きはじめてます。
そして、その花の蜜を吸うメジロの姿
が見られるようになりました。メジロ
は、緑色の体に目の周りが白く縁どら
れていて、なんとも愛らしく見入って
しまいます。
また、ヒヨドリは赤く熟したソヨゴや
南天の実をついばみに来ています。
ちょっと見ると地味なヒヨドリですが、
とても賢く人に懐きやすい鳥なのだそ
うで、平安時代に貴族のあいだで飼育
が流行したのだとか。
いずれにしても、春の花の咲きそめは
力強い息吹を感じると同時に、冬のあ
いだ知らず知らずこわばってしまった
表情を、やわらかく穏やかなものへと
導いてくれるような気がします。
花も鳥もそして人々も、ものみな春の
明るさに向かってうごく季。
2月大人半紙課題「鳥啼花笑」