春うごく
春の景色がふと目に入ってきます。
庭の満作が咲き始めました。冬のあいだから
咲き続けていた白玉椿もまた一輪開きそう。
寒さがゆるむと、なぜとはなく明るい気持ち
になり、季節のうごきに気がつきます。
そのほかに、毎年この時期の楽しみのひとつ、
いつもお世話になっている天ぷらやさんの野草
の天ぷら。先日は、蕗の薹、明日葉、ウドや
こしあぶらをいただきました。
その特有の苦味や香りで春を味わいます。
そして、先月から今月にかけて文字を考察する
勉強会へ出席しています。文字の歴史や字源に
ついてあらためて学び考えることは、とても
興味深いことです。
数日前の朝日新聞に、
「漢字の書き順はどう決まるの?」と静岡県の
中学生からの質問の記事が掲載されていました。
それに対しての答えは、
1957年文部省(現・文部科学省)が作成した
「筆順指導の手びき」が一般的な基準として広く
活用されていること、手びきは、統一した書き順
を示すことで子どもたちが混乱なく漢字を学べる
ことや、指導能率を高めることを目的として広く
浸透していったこと、ただし、あくまで指導上の
基準であり、「手びき」には「本書に掲げられた
以外の筆順で、従来行われてきたものを誤りとす
るものではない」と留意点が書かれていると掲載
がありました。また、「原則を学んだ上で、整っ
た字が書けているのであれば、書きやすい書き順
でもよいのではないか」ともありました。
筆順はあくまで目安である。
これについては、書の古典を学ぶことであきらか
になることですが、歴史に残る書家の筆跡には、
書きやすい順で筆を運んでいる跡があり、統一
などなかったことがよくわかります。
漢字も、長い歴史のなかでうごいていることに気
がつきます。