温もりのある
書を学ぶとき、さまざまな法帖を臨書します。
今は、良寛の書を勉強中。
一見、稚拙な印象を受ける書ですが、書いて
みると、絶妙のバランス。字形、空間など独自
の間合い呼吸が感じられます。
「土台があるから拙なものが生まれるもの」
また、温もりと芯の強さも感じられます。
良寛さんと親しまれ、多くの逸話や和歌など
から、優しい人柄を知る人も多いですが、江戸
時代後期、新潟県の出雲崎で生まれ、諸国を行脚
した良寛。諸々の環境で形成された内面が、古典
で得られた技術を覆っているような書は魅力的。
その内なるものが強いからか、良寛の書は臨書
するものではない、と言われる方もおられます
が、しばらくはその温もりにふれていたいです。