びわ
庭の枇杷が今年初めて実をつけました。
その橙色をほおばると、みずみずしい果汁に、
ほどよい酸味と甘さがなんとも美味!
小さいけれど、その1個にとてつもなく大きな
エネルギーを感じる味わいなのです。
枇杷というと思い出すのは、小さい頃に初め
て食べたときの祖母の言葉。
「西方向いて笑え」!! 笑
「えー、なにそれー」とふきだすと、初物を
いただくうれしさを西方浄土に伝えるのだと
習い、ふざけながらも笑って食べた枇杷は、
ずっと特別な夏の果実となっています。
地域によっては西方ではなく東方だったり、
その意味もいろいろだったりするようです。
また、そちらの方角を向いて笑うと、寿命が
75日伸びるとも。
いずれにしても、うれしさと喜びにあふれ、
初物をいただけることへの感謝が表れている
と思うのです。
年間をとおして何でも食べられるような現代
ですが、その時々の旬を意識し、笑って食べ
られるということこそ、なによりの幸せであ
ろうと思います。
そんな些細な思い出も人を支える力となって
いるのかも。枇杷ありがたし。