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やまとことば

自然の表情は日ごとに変化し、どこか愁い
ある秋意を感じる頃となりました。

日本最古の歴史書である『古事記』は、
とても展開が速く、壮大な説話が次々に
繰り広げられます。そのうえ、さまざまな
要素を含んでいるため複雑で、真に理解す
るのは容易ではありません。それでも、
純粋で豊かな自国の起源や成り立ち、精神
性を知ることで、この国に生まれた誇りが
感じられます。

また『古事記』の原文は、大和言葉をすべ
て漢字の音にあてはめ、万葉仮名で表記が
なされていますので、とてもとても読めま
せん。ただ、万葉仮名のなかに封じられた、
大和言葉の一音一音から、とてつもない力
を感じるのです。つい視覚化された漢字の
もつ意味に、意識が向いてしまいますが、
あえてそこを離れ、大和言葉の音に秘めら
れた意味へと意識を向け探ることは、この
国の原点を知り、根源的な力に気がつくの
ではないでしょうか。

まずは、親しみやすい新訳や漫画もありま
すし、これからの秋の夜長に『古事記』!
オススメいたします。

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