翡翠
立夏をむかえ、庭の木々は緑さしみずみず
しい葉をいっせいにのばしています。
ひときわ目につくのは柿若葉。まだ淡い緑が
ほんとに美しいです。
野にも山にも緑さすこの季節は、生物のエネ
ルギーが満ち満ちていて躍動する生命を感じ
ます。そして野鳥たちにとっては繁殖の時期。
身近に多くを見かけるようになって、歌声も
とってもにぎやか。
数年前、近くの大栗川のほとりでカワセミを
見かけたのもこの時期。水面に突き出た枝に
じっととまって魚をねらっている姿は、水辺
の宝石といわれるのが納得の輝かしいヒスイ
色でした。
カワセミの漢字表記は翡翠。
雄が翡、雌が翠で、雄と雌で翡翠なのだそう。
そしてカワセミの羽の色に由来するといわれ
る宝石のヒスイも翡翠。
翡翠が啼き、鵾鶏が水辺で舞っている草堂か
らの風景を詩にした 杜甫『絶句 六首之一』。
自宅の玄関に飾っている最近の作品です。