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松明け

松の内も今日まで。
お正月飾りをおろし、お餅を入れ
た小豆粥を炊いて小正月を祝いま
した。

茶祖利休居士は、たくさんの茶道
の教えを遺していますが、それら
は茶道にかぎらず、生きるうえで
の知恵や心のありようを感得させ
てくれるものです。

利休百首には、自らの身体を動か
し、正しく学び修得すれば、心と
形が一如となり、清々しい所作や
作法になるとあらわされています。
これは、書道にとってもだいじな
要諦です。

また、茶道において最もだいじな
道具は掛物。なかでも第一は墨蹟。
そこに書かれた言葉や心意を敬い、
筆者の徳を賞します。

松明けに、掛物をおろしながら、
茶道の美的理念でもある侘びの心
が、自らの心や生活に根ざしてい
るのだろうかと自問します。

相国寺 有馬頼底老師 筆

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