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KEISUI

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日本人の季節の感覚は、寒さのなか
でも光の輝きと風の和らぎから春を
感じ、暑さの盛りであっても光の衰
えと風のそよぎから秋を感じとると
いうことでしょうか。
そこはかとない感覚ではあるけれど、
失いたくないと思う感覚です。

日本人は戦後多くのものを失いました。
それは衣食住、暮らしのなかのあらゆ
るもの、事象、言語や身体感覚などい
たるところに見うけられます。

ただ、それらが失われることなく残っ
ているのが伝統芸能や伝統文化の世界。
書道では、かな、漢字、漢詩や和歌な
どにより気がつくこと、そして筆を執
り書くことで、それらの感覚が目覚め
るような気がするのです。

例えば、8月号中学生半紙「松涼健人」
課題からも教えられます。
松は、夏も涼やかな緑をたもち人々の
気持ちを健やかにし、冬でも緑を失わ
ない力強さがあります。
うつろいやすい現世のなかで、不変の
生命力をもつ松は、古くから神がこの
世に下る憑代としての木でもあります。

そのような松ですが、1年ほど前から
薬効が見直され、松葉ジュース、松葉
茶、松葉料理など私の周りでも試す人
が増えはじめました。
私も、気が向けば松葉を入れて玄米を
炊く程度でしたが、先日、知人から手
作り松葉ジュースをごちそうになって、
ならばと、その後ジュースやお茶にし
て楽しんでいます。

我が家の作庭をするとき、私がまず植
えたかったのは黒松。
ずっとお世話になっている庭師さんの
おかげで、凛々しく美しくたおやかに
変わらぬ緑をたたえています。
そのような松から、あらたなかたちで
恩恵をいただくことになるとは、、。

日々、思いもよらぬことから、日本の
ものすごい力を知るのです。じつは、
すべてが身近にあるのだということを。

8月号中学生半紙課題

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