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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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手書きの力

晴雨定めがたい季節。

教室には、小学1年生から中学生までの
書写の教科書があり、折にふれ開いてい
ます。中学書写:光村図書出版の背表紙
裏面にある、谷川俊太郎さんの手書きに
よる詩「明日」の一節は、深い味わいが
あり、見るたびにほっとし、ありのまま
の良さをしみじみと感じます。

そして、その下にある寄稿文、手書きの
力についても、読むたびに大きくうなず
き、ひとつのたしかな今日を実感するの
です。

「自分の書く文字が好きではないので、
ぼくはキーを打って書くほうが多い。
でも大事な手紙は手で書く。たとえ下手
な字でも、手で書くほうが気持ちが込も
ると思うから。うちには良寛の書の複製
が掛かっているが、見るたびに気持ちが
伸びやかになる。字には書いた人の人と
なりが自然に表れるものだ。でも例えば
詩などの場合、手書き文字で読むと、詩
が味付けされてしまったと感じることが
ある。活字やフォントにもいろいろな形
があるから、純粋に中身だけ読むために
は、目で読むだけでなく、心の中でそれ
を声にしてみるのもいいかもしれない。
パソコンでも携帯電話でも、キーを打つ
だけで、できあがった文字が出てくるが、
字はもともと手を使って書いたり彫った
りしたものだ。出来合いの文字ではない
自分の字を手を使って書いていくと、
文字の意味の深さに気づくようになるし、
一つ一つの文字の美しさも味わえるよう
になると思う」  谷川俊太郎

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