道具
すがすがしい青空。
浮かぶ雲や風の気配は、もう夏とはちがう
季節の移ろいをつげています。
今年は運良く早々に栗が手に入ったので、
すでに3回も 栗ご飯 でいただきました。
毎年、栗の皮を剥くたびに思い出すのは
華道の先生のこと。
「もっと食べなくちゃダメよ。」とお稽古
にお伺いするたびにいろいろご馳走して
くださいました。あれは、ちょうど今ごろ
の時期だったのでしょう。栗ご飯 が好きで
も皮を剥くのにひと苦労でと話していたら、
「そんなのこれを使えばいいのよ!」と
生け花のハサミを持ち替えて見せてくださ
ったのは、『栗くり坊主』!!
それ以来、苦ではなくなった栗の皮むき。
先生がお亡くなりになられて、十年になろう
としています。先生の思い出とともに
いただく、甘くてほくほくの栗ご飯。
「私たちは皆、自分にできる小さなこと
をして通り過ぎてゆく神の道具なのです。」
ー9月4日に列聖された
マザーテレサの言葉よりー