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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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復活祭の今日。
毎年これにあわせて公演がある、バッハ・
コレギウム・ジャパンの『マタイ受難曲』
の演奏会へ出かけ、その美しい旋律と質
の高い演奏に魅了され、いまだ余韻が残
っているところです。

祭りというと、年間をとおしてなにかと
多い日本ですが、春はその年の豊作を願
う予祝祭の性質がつよいようです。
春まつり、花まつり、鎮花祭などが各地
で行われます。

そのような祭りが、古来から生活の中心
にあったことを表わしているものに漢字
があります。その成り立ちは、おおむね
祭事、農耕、呪術など当時の儀礼のあり
方がそのまま字の構成に反映されていま
す。

「漢字の理解には、漢字の形だけではなく、
その形が意味する内容についての理解が
必要である。漢字は、成立した当時の時代
の社会的儀礼、加入儀礼の実際に即して生
まれたもの、そこから離れて観念的に構成
されたものではない」
   白川静 『常用字解』より

また祭りといえば、今もっとも注目してい
るアーティスト、藤井風くんの最新曲
『まつり』がサイコーすぎます!
1年ほど前に教室の大人クラスSさんに薦め
られて聴きはじめ、すっかりはまり中。笑
ちなみに『まつり』のMVの最初には、広
い和室の真ん中で、文机を前に筆をもつシ
ーンも。どうやらママが書道の先生だった
とか。しかも彼はヴィーガンらしいし。
と、勝手に共通点を見つけ盛り上がって。笑

そして教室では、中学生の作品から清新な
風が吹いていて、とっても気持ちいい。
はじめての行書に取り組む1年生ですが、
なんともうまいのです!

「たとえば風は、もと鳳の形に書かれ、鳥形
の神であった。四方にそれぞれ方域を司る神
がおり、その方神の神意を承けて、これをそ
の地域に風行し伝達するものが鳳、風神であ
った。風土、風俗のように一般的なものより、
人の風貌、風気にいたるまで、すべてはこの
方神の使者たる風神のなすところであった。
風の多様性は、風という字が成立した当時の
風のもつ古代的な観念に内包するものとして、
そこから展開してくる。これは原初に成立し
た文字の多くについて、いうことができる」  
    白川静 『字統』より

祭りから風、『マタイ受難曲』から『まつり』
われながら何という多様さ。苦笑
いずれにしても、文字の形象は古代的な思惟
そのものであり、漢字の成立した当時の観念
を知ることで、あらたな視点や感性で多様な
「風」を感じられるはず。



4月号中学生半紙課題より4作品を掲載。

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