なる
どうしたものか3回目…。
世は迷っているかのよう。
行こうと思っていた美術館は休み、外出する
とも言いにくい風潮…。と、つい世迷い言が口
をついてでてしまいます。とはいいながらも、
慎重な行動を前提としつつ、なんとかなるとい
う動じない気持ちもあるから不思議です。
これはどこからくるものなのでしょうか。
もしかすると、自然界をはじめ万物に神が
存在するという日本人の根底にあるであろう
寛容な思想がそうさせるのかなと思ったりし
ます。あらゆる万物、そして人のなかや自ら
のなかにも神を宿すと考えるアニミズム的な
思想。よく考えてみると、神との関係は生ま
れてからずっと、日本人の暮らしや人生に深
く関わっているということを思い知ります。
初宮参り、七五三、初詣、お祭りなどなど、
日々のなかでは「いただきます」「ごちそう
さま」の言葉とともに、食事の前には手を合
わせています。この概念によって自然に受け
継がれてきた感覚が動じない精神をもたらす
のかもしれません。
日本全国に8万社以上あるといわれる神社。
そのなかにある稲荷神社は、「稲が生る」と
し、五穀豊穣や商売繁盛にご利益があるとさ
れます。そのほかに「意が成る」ともいわれ、
意思や希望が成し遂げられる願望成就の神社
でもあるのだそう。
4月も末、春がとおりすぎるころ。
もうすぐ風薫る夏になり緑は色濃くなる。
すべては成るようになる。