さくら
桜咲くころ。
写真が趣味の知人が意気込んで、「この時期
はのんきにしてると桜の盛りがあっという間
に過ぎてしまうから心がさわぐのよ!」と、
シャッターチャンスを逃すまいと、あちこち
出かけているとのこと。
ならば私もお花見へと、先日はうららかな春
の陽光に包まれ、桜ケ丘公園を散策し満開の
桜花をゆっくり楽しんできました。
陽光に照らされ、あざやかに咲きほこる桜は
清らかで美しく心動かされます。
なぜこれほど桜に魅せられるのか、昨年末に
読んだ『武士道』の著述にもありましたが、
桜は美しく咲き誇ったときに散ってゆく、枯
れることなく満開のまま美しい盛りのときに
散る、その潔さにあるのだということ。
それが日本の美意識であり価値観であると。
であるならば、桜の美しさを知ることは、
日本人の心の美しさを知ることでもあるの
かも。あるいは、桜花を見ることでそれを思
い出し、取り戻そう?!としているのかな。
あらためて、人の心を惹きつけてやまない
桜花のみごとさを称えます。
3月号条幅課題『陽光』から数名掲載します。