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八一

初霜が降りていた今朝。
11月も晦日です。

今は、會津八一の書を学習中。
雅号を秋艸道人と称し、数々の秀でた書作品を
残した八一の生涯や書論を学び臨書しています。

今月は、月の始めと終わりに2回、熱海を訪れる
チャンスがありましたので、八一が恩師と慕った
熱海駅近くにある坪内逍遥の別荘に立ち寄りまし
た。「雙柿舎」と命名され、眼下には相模湾が見
渡せる起伏のある土地をうまく利用した、気持ち
のいい場所でした。逍遥自身が建物も庭もすべて
設計、庭の石や草木の配置など、いたるところに
細やかな気配りとこだわりが感じられました。

八一が逍遥からの依頼で書いた扁額と、逍遥の3
回忌に建立され、八一が石碑の文字を書いた筆塚、
いずれもそこに託されたであろう、それぞれの思
いを静かに感じながら拝見させていただきました。

季節も静かに冬へと移ろうころ、夕暮れの熱海の
海の眺めは、美しくもどこか寂寥をともないます。

中門の扁額「雙柿舎」
じつは複製。本物は、
早稲田大学會津八一記念館に所蔵。
逍遥先生 筆塚

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