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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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余韻

先週末の教室後に、近くの公園へ螢を見に出
かけました。小川沿いの木々の暗がりで、ひっ
そりと浮かび揺れる蛍。そんなに数多くはない
けれど、飛び交う光をじっと追いかけていると、
一瞬、蛍が虫であることを忘れます。
少なくなったとはいえ、蛍の生息する生態系が
残っていることに安堵します。

初夏の風物詩ともいえる蛍は、たくさんの歌に
も残りますが、その最大の魅力は、明滅間隔が
2~3秒ほどの余韻を含むからだと思います。

余韻は、書でいうなら余白でしょうか。
表現には直接表さない本文外の情趣、墨の黒に
対し、白く残る紙の部分。この余白が書の魅力
でもあり、心に残り消えないものとなる日本の
美意識でもあると思うのです。

そして、夏の夜に蛍を思う独特の感覚も、自然
とともに生きてきた日本の美意識そのもの。
光の余韻は、日本人が忘れかけている純粋性に
立ち返らせてくれるような気がします。

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