休む
2020年を迎えました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年末、なにかと慌ただしく、その勢いの
まま京都へと向って、約束していた方と会う
と、私を見てこんな言葉が…、
「休むことをがんばって!」
いわゆる関西のノリなのだろうか?!
「休む」を「がんばれ」などと助言された
のは初めてで、でも、とっても新鮮な響き、
それでいてどこかユーモラスで、愛があっ
て、名言だわ〜っと、この言葉を年末から
繰り返している私。笑
で、「がんばって!」と言われると、つい
がんばる自分がいて…。苦笑
おかげで、素直に心身を休めることのでき
た4泊5日となったのです。
観光の方はというと、あまりよくばらず、
詩仙堂と大徳寺のみ。
詩仙堂は、石川丈山が晩年に隠棲した地。
丈山は『大日本能書伝』の能書家の1人。
隷書を得意とし、日本の書道史の中では、
江戸時代まで重んじられてこなかった隷書
が、初めて唐様の書として認められたのは、
丈山の存在があったからと言われています。
丈山の隷書は、竹筆を用いて書いているも
のが多く、造形としての書の美を追求して
いるのが特徴です。
この堂に掲げられる三十六詩人に書かれた
詩の隷書は、風雅で謹直さを感じさせる書
きぶりで、丈山の人柄が偲ばれました。
大徳寺は、いくつかの塔頭をまわり、手入れ
のゆきとどいた石畳、石庭、枯山水のなかに
込められた、禅寺の精神性を感じてきました。
茶道をしていたころ、裏千家の大会で大寄せ
の茶会が催され、日ごろは非公開である塔頭
や茶室を訪れたときのことを懐かしく思い出
したりもして、静かでいい時間でした。
帰宅し、さっそく今年の一文字を試筆。
やっぱりこれでしょ!
『休』!! 笑
上手に「休む」も「がんばり」ながら、書の
学びを深めつつ、その魅力を伝えてゆきます。