きつね
一昨日と昨日、書き初め誌上展の表彰式
が上野の本校舎で行われました。
今年もたくさんの出品がありました。
総出品数 大人の部 1940点
子どもの部 2870点
そのなかから優秀賞以上が表彰されます。
当教室から 大人部2名 、子ども部2名
の4名が受賞しました。
とてもうれしく喜ばしいことです。
その受賞式の祝辞で本院院長が引用
なさった詩が印象的でした。
きつね
きつねは知っている
この日当たりのいい枯野に
自分が一人しかいないのを
それ故に自分が野原の一部分であり
全体であるのを
風になることも 枯草になることも
そうしてひとすじの光にさえなることも
きつねいろした枯野の中で
まるで あるかないかの
影のような存在であることも知っている
まるで風のように走ることも 光よりも
早く走ることもしっている
それ故に じぶんの姿は誰にも
見えないのだと思っている
見えないものが 考えながら走っている
考えだけが走っている
いつのまにか枯野に昼の月が出ていた
蔵原伸二郎
戌年に狐?!ではあるけれど、狐は冬の季語、
ハッとさせられる詩です。
いよいよお正月の雰囲気は薄れ、暮らしの
リズムもふだんに戻る頃ということでしょうか。
その話を娘にしたところシラッとした顔で、
「あ~それ、英語の授業で勉強したし」
とのこと。。。「はじめて知ったし」
A Fox
A fox knows,
on this sunny desolate field,
that it is all alone.
Therefore, it also knows:
it is a part of the field
and the whole of it as well;
it could be wind or withered grass,
and then a beam of light
on this fox-colored desolate field;
it is a shadowy existence,
as if all or nothing.
It knows it runs like the wind
and that it runs faster than light.
So it believes
it is no longer seeable.
The invisible is running while thinking.
Only the thought is running.
Before it knows it,the daytime moon
rises above the desolate field.