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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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色はかはらず

3.11から6年が経ちました。

昨年の秋、学校の研究旅行で宮城県仙台市
の被災地を訪れた娘は、地元の語りべの方々
から震災当日やその後の話を伝えていただ
きました。あらためて、震災は想像を超え
るすさまじい被害だったことを知りました。

その話から感じたのは、どのような状況に
あっても人々はあきらめることなく、支え
あい、つながりあっていたということです。
途方もないできごとに「官」ではない、
「民」の驚くべき底力にただ感動します。

それでも、親族や友人、知人を、住み慣れた
家を失った被災者の方々の心中はどのような
ものだったのか、
谷川俊太郎さんの「朝」と題する詩が思い出
されます。

「また朝が来てぼくは生きていた・・」

朝がきて自分が生きていることを確認したとし
ても、生の喜びを味わうことなど考えられな
かったのではないでしょうか。今、心に静け
さを取り戻させてくれるのは、6年というその
月日だけなのかもしれません。

今年も庭の日向水木が咲き始めました。
何ごともなかったかのように朝は来て、色は
変わることなく花は咲いて。その自然の色に
生命の尊さを教えられるようです。

故里となりにしならの都にも
色はかはらず花咲きにけり 古今和歌集・九〇

月の古典かなの課題を書いている手を止め
14時46分に黙祷を捧げました。

IMG_2906.JPG
宮城県仙台市の海(研究旅行にて娘撮影)

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