寒の中だからこそ
大寒がすぎて寒さも本格的です。
寒いけれど、冬は好きな季節。
大気が冴えわたる冷たい朝は富士山が クッキリ
と見え、冴ゆる夜は月が氷のような 光を放つ。
寒中の空が晴れあがっている日は、自然の美しさ
にしばしば感動します。
この冬の晴れ間を利用し、紙漉きの里では和紙
を天日に晒し、日差しと寒風で乾燥させるのだ
そうです。そうすることで、やわらかさや光沢
が引き出され、長い年月の保存にも耐えられる
ようになるのだと。
また、寒の水で漉いた紙は、寒漉きともよばれ
貴重な紙です。日本の手漉き和紙は、しなやかで
美しく、書くときは気持ちも華やぎます。
冬の寒さは、繊細な美を生み出し生活にさまざま
な恩恵をほどこしてくれるのです。