品格
春のきざし感じる季。
今日はおひな様を飾って、米粉でチョコスコ
ーンを焼いて本を読みのんびり過ごしました。
昨年の自粛期間以降、YouTubeを見ることも
多くなりましたが、読書熱も加速しています。
日本人であれば、一度は読んでおきたい名著
に、『茶の本』や『武士道』があります。
いずれも英語で出版され、日本人の精神性を
発信し世界中で読まれている本です。
『茶の本』は、茶道に熱中していた頃に読み
ましたが、なぜか遠まきにしていた『武士道』
ようやく昨年末に読む機会を得ました。
「智」「仁」「勇」「義」「礼」など日本人
の根源的な思想を示した著述ですが、武士の
教育において第一に重んじられたのは品格の
形成であるとし、そのなかに書道があると書
かれています。
武士道の教育科目が、剣術、弓術、柔術、
馬術、槍術、戦略戦術、書道、文学、歴史で
あり、知能が優秀なことは尊ばれたそうです
が、知性は叡智を意味し、単なる知識は従属
的な地位しかあたえられなかったのだそう。
また、これらのうち書道について説明があり、
「書が優秀なことは大いに重んじられたが、
それは日本の文字が絵画的性質をもっており、
それ自体が芸術的な価値があったからであろ
う。また、書体はその人の人柄を表すものと
信じられていたからである」と、品格の形成
に書道がある理由を述べています。
新渡戸稲造:著 岬龍一郎:訳 『武士道』
時代的な価値観だと感じる箇所もあるにはあ
りますが、それを含めて『武士道』を知るこ
とは、今なお日本人の根底にあるであろう
精神性に気がつくきっかけとなるのではない
でしょうか。
自らを正し気概をもって書の道を貫いてゆこ
うと、春吹く風に思います。