古典から
先週、上野での勉強会のあとにトーハクへ。
文徴明の生誕550年を記念し開催されている
「文徴明とその時代」を鑑賞に。
文徴明の書画は、和様書に対して唐様書が
台頭した江戸時代、当時の書家や文人画家
たちに大きな影響を及ぼしたとされます。
なかでも与謝蕪村は、文徴明に憧れ、多く
の時間を費やして模写に励んだようです。
日本の書に影響を与えた文徴明ですが、若い
頃は、書が拙く、9回も受けた科挙の試験は、
ついに合格することはなかったそう。
ただ、温厚で篤実な人柄、勤勉で実直な性格
から真摯に書と向き合い、次第に才能を開花
させたようです。
その書は、古典を尊重しつつも自らのものと
していて、端正で気品に満ちていました。
それは、徹底した古典からの学びで培った
技法が支えとなっていることがあきらか。
あらためて、古典から学ぶことの意義や重み
を考え、これからも、ただひたすらに書こう
と思えた展示でした。