峨眉山月歌
今宵は十五夜。
日中に妹と甥と東京タワーへ行ってきました。
今年はちょうど、開業60周年とのこと。
スカイツリーや六本木ヒルズのような華やかさは
ないけれど、シルエットの美しさとレトロ感が
よさでしょうか。十五夜の今日は、日没から
お月見ライトアップが予定されているのだそう。
秋といえは月。
今月の大人クラスの条幅課題は、
『峨嵋山月歌』
峨 眉 山 月 半 輪 秋
影 入 平 羌 江 水 流
夜 發 清 渓 向 三 峡
思 君 不 見 下 渝 州
「峨嵋山にかかっている半輪の月が秋の気に
冴えている。その姿が平羌江の水に映り、とも
に流れる秋の夜、私は清渓の船着場を発して三峡
へ向かう。やがて両岸の山がせまり、見たい月も
見えないまま、渝州へと下ってゆくのである」
秋の夜、すこし前まで見えていた半輪の月が隠れ
てしまう静謐で美しい情景、そのなかを舟に乗り
進んでゆく李白25才のときの傑作中の傑作といわ
れる詩です。「君を見ず」とは、たんに月を表し
ているのか、それとも恋い慕う人を指しているの
かが気になるところ。
清明のほど合いが、ひときわ優れる秋の月、その
美しさゆえに、万葉の時代からいくつもの月を詠
んだ和歌がありますが、自分の思いを月にことよ
せ、切なく情緒的であるのは、満ちては欠ける月
の神秘がそうさせるのでしょう。
秋の月に、心をうばわれます。
そんなお月見の日、
大人クラスの生徒さんの作品をご紹介します。
~楷書、漢字、創作より~