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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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採蓮

落ち葉の散りしく頃。

東京都美術館では、東京書作展が会期を迎え
ています。
今年もたくさんの見応えある作品が展示中。
私は、李白『採蓮曲』を、淡墨、長鋒で書い
て出品しております。

『採蓮曲』というのは、秋に蓮の根を採る
労働の歌だったそう。それを李白が艶やか
でありながら繊細な晩夏の七言古詩へとつ
くり変えています。

若耶渓で蓮の花を採る若い女性たちが、笑
い、語り、日の光に照らされた姿を水面に
うつしだしている。岸辺には若者たちが、
三々五々しだれ柳の葉影に見える。これら
を見つめる李白の、もう若くはない我が身
を憂う名作です。

そして、この李白『採蓮曲』のドイツ語訳
をテキストとしたのは、作曲家マーラー。
『大地の歌』 第4楽章 美について
アルト独唱のつややかで明るく美しい曲
ですが、唐詩が原詩にあることを知ってか
ら聴くと、どこか東洋的な響きが感じられ
ます。

マーラーは李白以外にも、唐詩を原詩とし
た作品を作曲しているようです。
西洋にはない東洋の思想や叙情性を交響曲
に取り入れることで、より壮大で多彩な深
みのある作品へと変化させたのでしょう。

やはりどの世界でも、なんらかの影響を受
けながら、いろいろな要素の融合があると
いうことがわかります。

で、散りしく落ち葉の季節にもかかわらず、
夏に出かけた井戸尻遺跡の蓮の花を思い出
して貼付したのが下の写真。
蓮の花は採らないけれども写真は撮って、
若い!??女性何人かで一緒に出かけて、
笑い、語り、日の光に照らされた姿を水面
にうつしだして、いたかどうかまではわか
りませんが、美しい蓮の花を見ながら、愉
しい時間を過ごしたことは間違いないです
から。笑

というわけで書作展会期は11/24まで。
ぜひお出かけください。

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