春光
自宅の外や内の景色が少しずつ春へ
と変わりはじめています。
週末はあたたかく、日差しもきらき
らとあらゆるものにやさしく注ぎ、
明るくてうららかな春の光でした。
もうすぐ上巳の節句。ひな祭りです。
今年もお雛様を飾り、雪洞にあかり
を灯し、季節の花を生けて、ちらし
寿司やお吸い物、甘酒などでお祝い
します。
女の子の節句と言われてはいますが、
けっして大人が祝ってはいけないこ
となどなく、むしろ節目の行事をあ
りがたく祝うことで、災厄をはらい、
日々の生活を丁寧に大切にできるの
ではないでしょうか。
行書の最高傑作として、また率意の
書としても名高い、王羲之『蘭亭序』
には、上巳の節句に名士や一族41人
とともに、曲水の宴を催したときの
序文が書かれています。
書もさることながら、その内容には
春の光までもが感じられる、うらら
かな情景描写から始まります。
そして流れゆく時間のなかで、人生
の無常さに深く思いを馳せた名文は、
臨書するたびに心打たれるのです。






