見
6月の異名は水無月。
雨がたくさん降って水のある6月を水無月
というのはなぜだろうと、子どものころ
思ったものです。
それは、陰暦5月が今の6月だったから。
明治5年にそれを廃し陽暦を採用したこと
で、かみ合わなくなってしまったことを
のちに知りました。
それをよく示している言葉に、そろそろ
入る梅雨は五月雨、梅雨の晴れ間を五月
晴れ、日中でも暗く陰気な天気を五月闇。
晴雨定めがたい季節らしい言葉が今も残
っています。
四季をとおして折々に残された言葉には、
その季節をよく見て感じていたからこそ
生まれた、ということがよくわかります。
昨年末の干支作品でつくった寸松庵色紙、
令和7年のカレンダーも2枚目最後の月と
なりました。
4.5.6月は「見」
「み」の変体かなです。
今月も書をとおして、いろいろを見てま
いります。

巳年の「み」「見」