回文
先週は4泊5日で神戸から福岡へ。
目的は演奏会と有馬温泉と福岡の海!
旅行先での楽しみのひとつに、書との
出会いがありますが、有馬温泉月光園
では、拓本を額装にした蘇軾の回文が
目にとまりました。
なぜなら今は、蘇軾『前赤壁賦』『橙
木詩巻』を臨書しながら、その生涯や
時代背景などを学んでいるところでし
たから。
賞花帰去馬如飛
去馬如飛酒力微
酒力微醒時已暮
醒時已暮賞花帰
東坡居士と号した蘇軾の七言絶句の回文
詩。冒頭から末尾まで読み終わるとまた
冒頭に戻る構造は、無限のループを生み、
気の利いたおもしろさがあります。
と同時に、官僚時代の左遷される不運を
繰り返す蘇軾の、どこか帰去来を思った
であろう詩でもあります。
いつでもどこでも、少し立ちどまってみ
たとき、書は常に身近にあって、たくさ
んの気づきを与えてくれるのです。
それが書の魅力のひとつ。
