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ツノなし鬼

節分の今日。
2日が節分になるのは2021年から4年ぶり。
これは太陽と地球の位置関係によって生じ
るずれですが、2021年より前の2月2日は
1897年だったそうで、124年も前というの
にはおどろきです。

節分といえば豆まき、鬼、福!
先日、いつもお世話になっている美容師か
ら問われたのが、「鬼」にツノのない書体
があるのはなぜか?ということ。

たしかに、唐時代の法帖を臨書していると
「鬼」にツノはないし、日本でも江戸時代
までは、ツノのない「鬼」が一般的だった
とうのは知っていたけれど、、なぜだ??

あれこれ調べてみたところ、近代になって
活字がつくられたとき、書体の基準とした
のが清の時代に中国で刊行された康熙字典
だったためのよう。
康熙字典の書体は、篆書体を正字としたた
め、その篆書体にはツノがついているとい
うことから、「鬼」はツノありと定められ
たようです。

中国では、紀元前に統一した秦の時代に
篆書体が使われていたのに対し、秦の滅亡
後、漢の時代では、篆書体ではなくて隷書
体を採用。隷書体の「鬼」にはツノがなか
ったため、隷書体につづいて成立した楷書
体もツノなし。
つまり「鬼」は、ツノのない書体が長いあ
いだあたりまえで、それは日本も同様だっ
たようです。

現代は活字が一般的になり、ツノあり「鬼」
が主流となって、ツノなしは古典などの手
書きのなかだけになってしまいました。
漢字に限ったことではないけれど、時代や
ときどきの都合や権力によって、変化する
ということがよくわかります。

それに関連して美容師のもうひとつの疑問
が、花嫁の髪型で文金高島田につける被り
ものをツノ隠しというけれど、、
女性はツノありということ??? 

いずれにしても、ツノなし鬼からは手書き
の自由さ大らかさを感じるのでありま〜す。

江戸時代の武将 佐川田㐂六書

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