冬の哥
いよいよ冬がやってきたようです。
めずらしく体調を崩しておとなしくしてい
る今日。読書をしたり、『元永本古今集』
を臨書をしたりして静かに過ごしています。
このところの臨書は、古典かながおもしろ
く、特に古今集古写本の最古の完本である
『元永本古今集』は学び深いです。
繊細で調和のとれた美しさ、ほかの古筆で
は学び得ない優れた趣があります。
ちなみに、古典かなをすっと読めないのは、
かなの教養が失われたから。
かな文字が、明治33年の小学校令施行規則
により、一音一文字に制限され、多くが使
われなくなってしまいました。
あまたあった かな文字をむりに一文字に定
め、それ以外を変体かなとして切りはなし、
一般的な文字ではないとしたのですが、書
の世界にはもちろん残っているのです。
これらを学ぶことで、日本語や文字に対す
る興味や思い入れが増すのではと思います。