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響き

今年も、同人書作展が国立新美術館に於い
て会期中です。

今年は『源氏物語』より六首を、芥子色の
羅紋仙3枚に散らし書きしました。
TVをまったく視聴しないけれど、ちょうど
大河ドラマでは紫式部が主人公とのこと。
「若紫巻」「紅葉賀巻」より、藤壺中宮と
光源氏の贈答の和歌を書きました。

『源氏物語』には七九五首の和歌が収められ、
登場人物の百人ほどによって詠まれています
が、そのすべてを紫式部ひとりで詠み分けて
いるところが見事です。散文作家であり歌人
でもある類まれな才女であったことがわかり
ます。

物語のなかの和歌は、登場人物たちの心情を
巧みにそして切々と詠いあげ、それをとおし
て平安貴族の文化や思惑が感じられ、なんと
も魅惑的です。

つくづく、古典かな作品を書くというのは、
和歌に託された心情と、言葉という音の響き
を書いているのだと感じます。

会場には、見ごたえある漢字作品や漢字かな
まじり作品もたくさん響きあっています。
ぜひお出かけください。

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